平成12年に始まった介護保険制度により、多くの営利法人が介護市場に参入してきました。政府は介護事業で利益を追求することを認めたと言っても過言ではありません。今回の事件を受けて、介護サービスは非営利の福祉サービスに適しており、営利目的で行うサービスではないという議論がありますが、それは一つの結果論ではありますが、既に多くの利用者と事業者を飲み込んだ大規模な市場となっている介護市場の現状を考えると意味が薄い気がします。
何より、そもそもこの介護保険制度の意義を思い出して下さい。日本は他国と比べ少子高齢化が急速に進んでおり、従来の高齢者に対する福祉・医療制度では充実した介護サービスが提供できないことが分かってきたからこその制度成立だったはずです。
介護サービス利用者はこれまでの行政主導の画一的で受身なサービスから、自己の意思でサービス提供者とサービスの範囲を選ぶことができるようになりました。介護事業者は質の良いサービスを提供しなければ介護サービスを利用してもらえません。ここに介護サービスの質を向上させる原理があるのです。
コムスン事件を受けて、介護サービスにおいて利益を追求することは悪いことだと考えるのは、あまりにも短絡的過ぎるような気がします。
利益を追求することではなく、不正を行うことが悪いことであり、不正を行うことは事業者のモラルの問題であると私は考えます。
私は今回の事件で、介護事業を営むことは素晴らしいことであり、社会的に非常に意義のある事業だということを再確認して頂きたい、そして、それと同時に介護事業者のモラルについてももう一度再確認して頂きたいと思いこの記事を書きました。
この他行政についても言及したいことがありますが、それはまた別の記事で書きたいと思います。
(2007年6月13日)
世田谷区・渋谷区を中心に活動する税理士

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