それでは実際に、平成12年からの法施行後、介護サービスの現状はどのように推移しているのでしょうか。
◆サービス利用者の推移
・平成12年4月分の利用者数149万人
・平成17年4月分の利用者数329万人
⇒結果、5年間で利用者数は121%増になりました。
◆在宅サービス事業者数の推移
営利法人とNPO法人の参入が顕著でした。
・平成13年5月事業者数
@営利法人 21,882
ANPO法人 682
・平成17年5月事業者数
@営利法人 50,585
ANPO法人 2,735
⇒結果、営利法人は4年間で131%増、NPO法人は301%増になりました。
◆介護保険財政(総費用)の推移
・平成12年度実績 3.6兆円
・平成18年度予算 7.1兆円
⇒結果、総費用は99%増となる見込みです。
これらの主な推移を見てみると、介護サービスの利用者やサービスを提供する事業者数は急速に増大し、介護保険制度は老後の安心を支える仕組みとして定着してきました。
しかし、介護保険の総費用も急速に増大しているため、スタート当初の制度のままでは、保険料の大幅な上昇が見込まれ、制度の持続が難しくなる可能性がでてきました。
つまり、40歳以上の方から徴収している介護保険率を上げないと制度を維持できなくなる可能性が出てきたということです。
以上の推移に関する内容は厚生労働省が出している介護保険制度改革の概要の一部をさらに要約したものです。
察するに、平成12年から法改正までの期間における介護保険制度は、いわゆるお試し期間だったということが言えるのではないでしょうか。
はじめてだから基準が分からない、とりあえずこんな感じで、というスタンスで始まったため、不正受給などの問題が起こり、財政が圧迫されてしまったのでしょう。そして、急に引き締めに入ったため、事業者は苦境に立たされさらに不正に走るといった悪循環が起こってしまったのではないでしょうか。制度改正により体力のない事業者は淘汰されていくことになるでしょう。厳しい現実ですが、生半可な気持ちで運営できる事業ではなく、高い志と強い信念を持ち合わせていなければ生き残れない業界だということなのでしょう。
それでは次回、介護保険制度がどのように改革されたのかをご紹介していこうと思います。
世田谷区・渋谷区を中心に活動する税理士

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